犬の里親になる条件とは?
犬を飼うならペットショップではなく里親になりたいと思う方も多いですよね。飼い主のいない犬を救いたい、と里親を選ぶ方が増えています。
しかし、里親は誰でもなれるものではなく、厳しい条件をクリアした人だけが里親として犬を引き取ることができるのです。この条件をよく確認せずに里親希望してしまうと、条件に満たずお断りされてしまうかもしれません。
この記事では、里親になりたい方のために里親の条件をクリアするために気を付けることをご紹介します。
里親になる主な条件
保護団体によって譲渡条件が多少異なりますが、今回は多くの保護団体が設けている譲渡条件をご紹介します。詳しい譲渡条件については各団体へ確認してくださいね。
家族構成
小さい子どもがいる家庭はNG
小さな子供がいる家族は、犬の譲渡を断られることがあります。理由としては、子どもより力の強い犬が子供を傷つけてしまう可能性があること、逆に犬の扱いに慣れていない子供が犬を傷つけてしまう可能性があるからです。
子供が何歳以上であれば譲渡可能かは団体によりますが、小学生以下の子どもがいる場合はNGとしている団体が多くなっています。
同棲中のカップルはNG
同棲中のカップル、つまり未婚の同居者は譲渡を断られてしまうことも。未婚の場合、何らかの理由によって別居となる可能性があり、別居後に犬を飼えなくなるかもしれないからです。
どちらかが引き取って一人でお世話することになったとしても、飼い主に何かあったときに犬は一人ぼっちになってしまいます。そうなることを防ぐためにも未婚のカップルは断られてしまうのです。
主にお世話する人が高齢者の場合は断られることも
里親希望者が高齢者だけの家庭である、または他の家族と同居しているが主にお世話するのが高齢者の家庭は里親を断られる可能性が高いです。
高齢者は力が弱く力のある犬をコントロールできなかったり、高齢者が病気などで犬のお世話をできなくなってしまうといったリスクが考えられます。ケガや事故などを防ぐために、多くの保護団体で高齢者がお世話する家庭はNGです。
同居する家族全員が同意している
里親になる場合、犬と同居する家族全員の同意が必要になります。万が一、誰か一人でも里親になることに反対している場合は譲渡できません。譲渡後の家庭内トラブルを避け、犬が安心して暮らせるように譲渡前は同居する家族全員と面会し、意思確認をする保護団体が多いです。
保護団体のスタッフも、家族全員と面会することで犬と相性が合うか見極められるメリットがあります。
飼育環境
完全室内飼育が必須
里親を募集している犬の中には、人間に愛情を注いでもらえなかった子もいます。なので、新しい飼い主には家族の一員として傍に寄り添い、たっぷりと愛情を注いでもらいたいのです。
庭やベランダで飼うことは適切な飼育方法とみなされず、家族と同じ室内で飼育することが条件となっています。その際、脱走防止のためにゲートを設置するなどの対策を求められることもあるので、事前に脱走防止対策についても考えておくのがおすすめです。
ペット可の家である
大前提として、ペットの飼育が許可されている住宅でないと里親になることはできません。ペット不可の住宅に住んでいる方が犬を引き取ると、犬を手放すか退居しなければいけなくなります。そうなると犬を飼えないなどのトラブルに発展する可能性があるので、どんな理由であってもペット不可の住宅で飼育する場合は譲渡不可です。
先住犬がいる場合、避妊・去勢手術を済ませている
すでに犬を飼っている場合、避妊・去勢手術を済ませていることが条件となります。万が一避妊・去勢手術をしていないまま同居してしまうと、望まない妊娠によって子犬が生まれてしまう可能性があるからです。生まれた子犬を飼えないからと捨てたり、保健所に持ち込むことを避けるためにもほぼすべての保護団体が必須条件としています。
長時間の留守番が無い
日中は仕事などで長時間留守にしてしまう方も多いと思いますが、その留守番時間によっては里親を断られてしまいます。犬は長時間一人ぼっちにさせられると寂しい思いをしてしまうので、できる限り留守番時間は短い方が望ましいとされています。
お留守番が得意で一人でもおとなしく待っていられる子であれば、長時間のお留守番でも許可が出ることがありますが、ほとんどの場合は短時間のお留守番か、お留守番がまったく無い家庭への譲渡を行っています。
里親になる条件が厳しい理由
このように里親の条件を見てみると、とても条件が厳しく感じますよね。条件が厳しくてなかなか飼い主が見つからないのでは?と心配になってしまいます。しかし、里親の条件が厳しいのは、ちゃんと理由があるのです。
二度と悲しい思いをさせないため
里親の条件が厳しい理由は、一度人間に裏切られて悲しい思いをした犬に「二度と悲しい思いをさせないため」です。里親募集をしている犬の多くは、飼い主に捨てられたり、虐待されたり、悪質な繁殖業者によってまともにお世話してもらえず辛い思いをした犬たちです。そんな心に傷を負った犬たちが優しい飼い主のもとで幸せに生活していけるように、あえて条件を厳しくしています。
また、悲しいことに、里親希望者の中には販売・繁殖・虐待目的で犬を引き取ろうとする方もいます。そのような人のもとへ犬たちが引き渡されてしまっては、また犬がつらい思いをすることになり、最悪の場合は命を落とすことも。ちゃんと愛情をもってお世話してくれる人かどうか見極めるためにも厳しい条件を設定しているのです。
条件をクリアするには?
自宅の飼育環境を整える
飼育環境で条件に満たない部分がある場合は、まずは飼育環境を整えてくださいね。
・犬を飼う十分なスペースがあること
・犬を飼う経済的余裕があること
・毎日散歩に連れていく時間を確保できる
・脱走しやすい箇所が無いように対策する
・長時間の留守番をさせない(子供と犬だけのお留守番はNGの場合も)
・高齢者がいる家庭は、必ず高齢者以外の家族がお世話できる環境であること
・先住犬の避妊・去勢手術を済ませておく
細かい条件は団体によって異なるので、これらを満たせば大丈夫というわけではありませんが、最低限これらの条件を満たしておくと安心です。あとは犬種や犬の性格によって注意する点が異なるので、保護団体の方に聞いてみることをおすすめします。
小さな子供が大きくなってから
小さな子供がいる家庭は、多くの保護団体で譲渡NGとされています。これは犬や人間がケガをして悲しい思いをしないためにも必要な条件です。そのため、子どもが大きくなって犬を飼う余裕ができてから里親希望すると、保護団体の方も安心して譲渡できるはずですよ。
子供が何歳になれば譲渡可能であるかは、「未就学児がいる家庭はNG」「小学校高学年以上であればOK」など団体によって異なるので、事前に確認しておくと良さそうですね。
条件をクリアして犬の里親になろう
飼い主を探している犬を救うために里親になりたいと思っても、厳しい条件を見ると躊躇してしまいそうですよね。中には、一度里親を希望したけど条件を満たせず里親になるのを諦めてしまった方もいるのではないでしょうか。
もちろん、一度悲しい思いをした犬の里親になることは簡単なことではありません。しかし、条件をクリアして迎えることができれば飼い主さんと犬は互いに最高のパートナーになれるというのも里親の醍醐味なのかもしれません。
条件を確認したら、こちらでどんな犬が里親をもとめているのか早速みてみましょう!