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【獣医師監修】チワワの咳は病気のサイン!?症状・考えられる病気・対処法を紹介

目次

チワワが咳をしていたら病気を疑うべき?

小さな体と大きな目が可愛らしいチワワ。そんな愛犬のチワワが咳をしていると、何かの病気かもと心配になってしまいますよね。

チワワの咳を「風邪でも引いたのかな」と軽く考えていたら、実は大きな病気が隠れていたなんてことも。

この記事では、病気の心配が無い咳と病気を疑うべき咳の違いが分からなかったり、咳をしているときにどんな病気の可能性があるのか分からない方のために、危険な症状と考えられる病気についてご紹介します。チワワが咳をしていて心配な方は、ぜひ参考にしてくださいね。

当記事の監修獣医師:倉地医師

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

ヒトの感覚で考えてしまうと、「咳くらい健康でもするよね」と考えがち。犬の場合は、重大な病気の現れであることも多く、診療の現場でも病気を疑って検査を提案させて頂くことも少なくありません。 大事な家族を守るため、咳をしてしまう病気について知っておきましょう。

病気の可能性が高い症状

頻繁に咳をする、咳が止まらない

チワワが頻繁に咳を繰り返しているようであれば病気の可能性があります。1日1~2回軽く咳をするくらいの一過性の咳なら問題ありませんが、数分~数時間おきに咳をしていたり吐き気を伴うほどの激しい咳をしている場合、感染症や呼吸器疾患の疑いも。

激しい咳によってえずく、吐く、食欲不振などの症状も起こると、免疫力の低下による合併症のリスクも高まるので早めに対処がカギとなります。

呼吸が苦しそう

咳とともに苦しそうな呼吸をしたり、「ガーガー」「グーグー」のような呼吸音を伴っている場合も病気の可能性があります。興奮したり運動した後に激しくなることも多く、震えやよだれが出ることも。

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

異常な呼吸音がする場合、鼻や喉、気管支などの病気が疑われます。咳はどんなタイミングで出るのか、鼻水や鼻血は出ていないか、呼吸が普段よりも早くないかなどもチェックしてあげてくださいね。また、咳や呼吸の様子などを言葉で説明するのも難しいと思います。携帯電話などで動画を撮影して頂けると、診断の大きな助けになります。

考えられる病気

心臓病

高齢チワワ (10才以上の小型犬の30%が僧帽弁閉鎖不全症という心臓病にかかっているデータなどがあります)が咳をしているとき、心臓病が疑いもあります。高齢になると心臓病にかかりやすくなり、心肥大によって気管が圧迫されて咳が出たり苦しそうに呼吸するようになります。

高齢で心臓病の疑いがある犬には、運動量を減らしたり塩分を控えた食事を与えるなどして心臓に負担のかからない生活を心がけてあげてください。

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

チワワで多い病気の一つが心臓の病気です。心臓が悪くなると咳をしたり、活動量が減ったりすることがあります。ただし、無症状であることも多かったり、症状が出ていても「もう年だから….」と見過ごされるケースも少なくありません。犬の心臓病は、聴診器ひとつで気づいてあげられる病気です。症状が出ているときには、既にかなり進行していることも想定されますので、是非獣医師に相談してくださいね。

肺水腫

肺水腫とは心臓病が主な原因となる肺に水がたまった状態のことです。 心臓病の他には、急性で重度な気道の閉塞(喉頭麻痺や異物による閉塞など)や感電、重度な外傷などが原因となることもあります。本来、肺は空気を取り込みますが、そこに水が溜まると充分に空気を取り込みずらくなり咳をしたり呼吸が荒くなります。

気管虚脱

激しい咳や異常な呼吸音が症状として現れている場合、チワワがかかりやすい病気の1つでもある気管虚脱の可能性が考えられます。気管虚脱とは、老化や遺伝など様々な原因によって気管が変形して呼吸障害を起こす病気です。

気管虚脱になると、咳をしたり「ガーガー」と苦しそうな呼吸をするようになり、重症の場合は呼吸困難や酸欠によるチアノーゼ(舌が紫色になる)などを引き起こして失神します。

中高齢の小型犬(チワワ・トイプードル・ポメラニアン・ヨークシャーテリアなど)が発症しやすいと言われていますが、柴犬やゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなど多くの犬種で発症します。

気管虚脱は放っておいて治る病気ではありませんが、治療しなくとも進行しない症例も見られています。また、 根本的な治療は外科手術のみですが、手術すべきかどうかは獣医師に相談してください 。症状の進行には個体差もあるため、症状が見られたら一度病院で診察してもらいましょう。

ケンネルコフ

乾いた咳やくしゃみ、鼻水、発熱など人間の風邪のような症状が出ているのであれば、ケンネルコフという 犬伝染性気管気管支炎 に感染している可能性があります。ケンネルコフは咳が主な症状で、感染力の高い感染症です。

免疫力の高い健康な成犬であれば、感染しても軽症で済んだり、自然治癒することがあります。しかし、ワクチン接種が終わっていない子犬のチワワや免疫力の低下している犬は感染しやすく、悪化すると肺炎を併発して命を落としてしまう可能性もあるので、早めの対処が必要です。

ケンネルコフの原因となる代表的な 病原体(ウイルス)は、犬アデノウイルス2型と犬パラインフルエンザウイルス、細菌はBordetera bronchiseptica(気管支敗血症菌)の3種と考えられています。ちなみにこれらはワクチンによる予防が可能で、この3種を予防する 点鼻ワクチンも発売されています。

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肺炎

咳の他に発熱や食欲不振、異常な呼吸音、浅い呼吸、元気消失などの症状を伴っている場合、肺炎になってしまっているかもしれません。 肺炎の原因は感染(細菌、ウイルス、寄生虫など)やアレルギー、誤嚥など様々です。揮発性の高い刺激的な薬品やガスを吸い込むことで肺炎を起こすことも。

ウイルスや細菌が肺や気管に重度の炎症を起こすことで発症します。症状が悪化すると呼吸困難を起こしたり、横になれず座り続けたり、舌や歯茎が青白くなってきて緊急性が高い状態に。ケンネルコフと併発するとより悪化しやすいので早めに治療することが大切です。

対処法

動物病院で適切な治療を受ける

咳が出ているだけでも様々な病気の可能性が考えられるので、素人の自己判断はとても危険です。飼い主が思っているより症状が進行しているかもしれないので、咳が出ているだけだからと様子を見ずに、まずは獣医師の診察を受けて病名や原因を特定してもらってください。

病気の原因によって適切な治療法や治療薬が異なります。 抗菌薬や気管支炎の薬または心臓病の薬が必要になることが多く、さらには抗生物質の投薬、手術などが必要かもしれませんし、呼吸困難が酷いと酸素室で酸素吸入をしなければいけないかもしれません。

症状が悪化したり合併症を引き起こしてから治療を始めても、回復までに時間がかかるだけでなく命を落とすリスクも高まります。できる限り早く動物病院で治療を始めてくださいね。

ワクチン接種で病気の予防をする

ケンネルコフなどの感染症はワクチンを接種すれば感染予防が可能です。ケンネルコフの原因となるウイルスは多数あるのでワクチンを接種しても予防しきれないのが現状ですが、ワクチン接種によって代表的な原因ウイルスを予防したり、万が一感染しても症状が軽く済むことがあります。

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感染症の場合は他の犬にうつさないように

ケンネルコフなどウイルスや細菌が原因の感染症にかかってしまった場合、他の犬への感染を防ぐために完治するまで散歩はせず、自宅で安静にする必要があります。もし多頭飼育しているのであれば、感染した犬を別の部屋に隔離して食器やおもちゃも別のものを用意するかしっかり殺菌消毒してください。

犬の感染症は感染力の高いものが多く、感染した犬と接触するとあっという間に集団感染してしまいます。獣医師の指示に従って、自宅安静や隔離を行ってください。

気管を圧迫しない

気管虚脱を避けるためには首輪で気管を圧迫しないように気を付けます。散歩中に無理にリードを引っ張らず、できれば首輪ではなくハーネス(胴輪)を利用すると安心です。

肺水腫は入院が必要かも

心臓病が原因の肺水腫に関しては、基本的に入院での治療となります。酸素吸入や注射、内服薬によって循環血液量を調整したり、心臓への負担を軽減したりします。

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

心臓が原因で肺水腫になってしまうときには、心臓病はかなり進行しています。チワワの心臓病は、僧帽弁閉鎖不全症という病気が多いです。この病気の診断法や治療法はガイドラインが出ており、獣医師はそれに沿って検査や治療をすることが出来ます。的確な治療を行うことで負担を軽くしてあげることができます。一方で、 一度肺水腫になってしまうと、再発するリスクがあります。 退院後には、自宅で呼吸回数を数えて頂くよう私はお願いしています。獣医師と飼い主様が協力し、早期発見と的確な治療を行うことが大切だと考えています。

異変を感じたら早めに動物病院へ

咳という症状だけでも数多くの病気にかかっている可能性があることが分かりましたね。咳くらいで病院に行く必要無いと考える飼い主も多く、気付いたときには症状が悪化していたというケースも少なくありません。いつもと違うと感じたら早めに獣医師に診てもらってください。

小型犬のチワワは体が弱く、病気がちなイメージがあるかもしれませんが、飼い主がきちんと健康管理をしてあげれば元気に育っていきます。病気や感染症にかかるのを防ぐためにも、普段から正しい生活習慣やワクチン接種を心がけてくださいね。

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咳の裏には、危険な病気が隠れている恐れがあることを少しでも感じて頂けたでしょうか。そしてチワワは咳に関連する病気になりやすい犬種でもあります。 飼い主様からの問診や、聴診・触診でも診断に繋がる多くの情報が得られますので、気になる場合は、早期発見のため早めに獣医師に相談してくださいね。

(ライティング:wanda 監修:倉地獣医師)

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