【獣医師監修】3分でわかる「狂犬病」。症状・予防方法を解説!

犬の美容・健康
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狂犬病ってどんな病気?

犬を飼ったことがある方なら一度は聞いたことがある「狂犬病」。病名は聞いたことがあるけど、詳しい症状や感染経路については知らないという方も。

日本では長年狂犬病が発症していないので、あまり狂犬病の危険性は知られていません。そこで今回は、狂犬病の感染経路と症状、予防方法について紹介します。狂犬病ってどんな病気なの?と気になる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

当記事の監修獣医師:倉地医師

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

過去の病気と思われがちの狂犬病。日本やイギリスなど一部の国を除き現在も全世界に分布しています。そして、年間約55000人もの死者が出ている恐ろしい病気です(WHO,2004)。2006年には海外から日本へ帰国した方が亡くなるというショッキングな出来事もありました。「日本では打たなくても大丈夫ですよね」とご質問頂くこともありますが、決してそんなことはありません。我々獣医師含め、犬に関わる人間が正しく理解し、行動する事が大切です。

狂犬病の感染経路と症状

人間への感染経路

狂犬病ウイルスを持つ動物に噛まれたときの傷口からウイルスが侵入

人間が狂犬病にかかるときの主な感染経路は「傷口」です。狂犬病ウイルスを持つ犬などの動物に噛まれたり、引っかかれたときにできた傷口から狂犬病ウイルスが侵入して感染します。

なぜ噛まれたり引っかかれて感染するのかというと、狂犬病ウイルスは唾液に多く含まれるため、噛まれたときに傷口に唾液が付着したり、引っかかれた傷跡を舐められることで感染してしまうからです。また、唇や目などの粘膜から感染することもあるようです。

「狂犬病」という病名から犬だけが原因だと思われがちですが、実はほぼすべての哺乳動物が感染してしまう病気です。つまり、犬だけでなく猫、コウモリなど様々な動物からの感染に気を付けなければいけません。海外の野生動物が多い地域に行くときは、なるべく動物との直接的な接触を避けると安心です。

人間の症状

初期症状は「風邪」と似てる

人間が狂犬病にかかってしまった場合、まず現れる症状は「頭痛、発熱、倦怠感、嘔吐」など風邪とよく似た症状が出てきます。そのため、初期段階では狂犬病だと気づかないことも。

悪化すると「さまざまな神経症状」が現れる

だんだんと悪化してくると、水を飲むと喉が痙攣してしまい、水を飲むのが怖くなる恐水症(きょうすいしょう)や幻覚、麻痺、全身痙攣、攻撃状態、不安状態などの症状が現れ始めます。その後は呼吸困難に陥って死亡します。

狂犬病は発症するとほぼ100%の確率で死に至る危険な病気です。

犬の症状

初期症状は「異常行動」

犬が狂犬病にかかると、食欲不振に加えてむやみやたらに動き回ったり、オオカミのような遠吠えを繰り返したり、地面を掘り続けたり、攻撃的になったりします。人間と違って分かりやすく異変が出るので、犬の場合は狂犬病だと判断しやすいです。

悪化すると「昏睡状態」に陥る

悪化すると全身麻痺が起こり、だんだん衰弱して昏睡状態に陥った後、死亡します。発症から死亡するまでは約1週間ととても短い期間で命を落としてしまいます。

人間と同様、犬も狂犬病を発症するとほぼ100%の確率で死に至る危険な病気です。

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

症状は様々ですが、中枢神経の異常により発症します。まずは、前駆症状として不安そうな様子をするなどの行動変化がおきます。その後、麻痺に伴い唾液が増えたり食べ物を飲み込めなくなるなどの症状が出るとされています。有効な治療法はなく、感染の疑われる犬は隔離することが義務付けられています。

狂犬病の予防方法は?

犬は病院で必ず狂犬病の予防接種を

犬は年1回のワクチン接種が義務付けられているので、毎年必ず狂犬病の予防接種を受けさせてあげてください。狂犬病予防法という法律で予防接種が義務付けられていて、違反すると20万円以下の罰金が科されます。

しかし、日本の狂犬病ワクチン接種率は毎年低く、全国平均で70%ほどとなっています。特に低い地域では約50%の接種率で、近年のワクチン接種率の低さが問題視されている状況です。

日本でしばらく狂犬病が発症していないことから、危機感が薄れて予防接種を受けさせない飼い主が増えてきていると考えられます。

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

日本における狂犬病ワクチンの接種率は、50%程度まで落ちているという試算もあります。WHOが提唱する狂犬病流行阻止のために必要な接種率は70%以上ですので、少なくとも安心できる状況ではないといえます。「治療中の病気があるから….」「副作用が怖いから….」などとご自身で判断されず、必ず獣医師に相談するようにしてくださいね。

人間は海外渡航者のみワクチン接種

日本では狂犬病が清浄化されているため、日本人は基本的に狂犬病の予防接種を受ける必要はありません。しかし、旅行や出張などで海外の哺乳動物が多い地域(アジア、アフリカ、南米など)に行く機会がある方は注意が必要です。

万が一、旅行先や出張先で動物に噛まれたり引っかかれてしまうと、狂犬病にかかるリスクが高まります。なので、海外渡航者向けに狂犬病のワクチンを扱っている病院で、旅行や出張前に予防接種(暴露前接種)を受けておくと安心です。

そして、万が一ワクチンを打たずに海外へ行き、動物に噛まれてしまった場合は現地の病院で診てもらい、帰国後もすぐにワクチンの暴露後接種をします。

必ず愛犬に狂犬病ワクチンを受けさせましょう

日本では60年以上狂犬病を発症していない「清浄国」なので、日本人にはあまり馴染みの無い病気とも言えますね。

しかし、一度感染してしまうとほぼ100%命を落としてしまう危険な病気です。狂犬病の危険性を知らなかった方は、致死率の高さに驚いたのではないでしょうか。

このような危険な病気を発症させないためにも、毎年必ず愛犬にワクチンを打たせることが大切です。

倉地医師<br>(獣医師)
倉地医師
(獣医師)

日本が、世界的に希少な狂犬病清浄国であることは誇るべきことだと思います。ただ一方で、一度侵入を許せば流行してしまう状態にあることに目を背けてはいけませんね。義務化されている予防接種ですが、動物とともに暮らす我々ヒトとしての責任だと思います。予防に関する疑問や不安は獣医師に是非ご相談ください。

(ライティング:wanda 監修:倉地獣医師)

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